関連情報
ホーム > 製品&サービス > コンサルティングサービス > HPCチューニングサービス > 事例一覧 > HECToRプロジェクト - EBLのスケーラビリティの改善

HPCチューニングサービスの事例

HECToRプロジェクト
EBLのスケーラビリティの改善

対象プログラム 物体乱流シミュレーション
アプリケーション名 EBL
チューニング方法 2次元領域分割
成果 スケーラビリティを40倍に改善
[2013年5月掲載]

HECToR dCSEチームにより流体乱流のシミュレーション(EBL)のスケーラビリティが40倍に改善

Gary Coleman, University of Southampton
David Scott, Edinburgh Parallel Computing Centre (EPCC)
HECToR CSE Team, Numerical Algorithms Group Ltd (NAG)


英国の国立学術スーパーコンピューティング設備であるHECToR 向けの、計算科学技術(CSE)サポートサービス業務を行っているEPCCのHPC専門家は,改良された2次元領域分割を用いて乱流アプリケーションEBLを改善し、スケーラビリティを大幅に増加させました。これにより適切な計算時間で、以前より大規模なシミュレーションが可能になりました。

dCSE の成功に言及して,主任調査員のGary Coleman博士 (サウサンプトン大学)は次のように述べています。「dCSEプロジェクトは現在そして今後のHPC設備での利用に関して絶滅の可能性のあったコードに新しい命を吹き込みました。Scott博士の研究の結果,EBLコードは設計の対象であるカノニカル流について数値実験を再び行うことができます。」

このプロジェクトで可能になる新しい科学研究について、Coleman 博士は次のように述べています。「風力タービン列とそれらの内部の大気境界層との相互作用を理解することに現在は重点を置いています。これは効率性を最適化するにはどのように風力タービンを配置すれば最善か、について理解を深めます。またEBLはより基礎的な研究に利用されるようになり,壁面乱流が以前考えられたよりも高いレイノルズ数でどの程度ユニバ―サリティを示すかといった問題や,この種の乱流がエンジニアや気象学者によっていかに最適にモデル化することができるかといった問題に対処します。」

HECToR
HECToR はResearch Councils を代行する EPSRC により管理されており、英国学術界の科学と工学をサポートする任務を負っています。エジンバラ大学にある Cray XT スーパーコンピュータはUoE HPCx 社によって管理されています。 CSE サポートサービスはNAG 社によって提供されており、高度なスーパーコンピュータの効率的な活用のために、ユーザは確実に適切なHPC専門家にコンタクトできます。CSEサポートサービスの重要な特徴は分散型CSE(dCSE)プログラムです。これは簡潔なピアレビューを経てユーザからの提案に応える、特定のコードのパフォーマンスとスケーラビリティに対処するプロジェクトです。dCSE プログラムは、伝統的なHPCユーザアプリケーションサポートとNAG によるトレーニングで補われる、約 50 の集中的プロジェクトから成り立っています。

これまでに完了した dCSE プロジェクトは、CSEの尽力により可能なコスト削減と新しい科学の優れた適用例をもたらしました。ここで報告されているEBLプロジェクトは成功を収めたパフォーマンス改善であり、新たなサクセスストーリーとなっています。

プロジェクトの背景

この dCSE プロジェクトの目的は、数百コアから数千コアの乱流アプリケーション(主にEBLコード)のスケーラビリティを改善することでした。これはHECToRを適切に利用するために,またこれらのアプリケーションを利用する科学研究の進歩のために必要でした。EBL(エクマン境界層に因んで命名された)は、回転領域における平面上の圧力駆動流の研究に利用されています。流れのレイノルズ数は、研究に用いられる最小領域のサイズを決定します。これは、EBLコードの実行時に最小の格子が存在することを意味し,また格子が立方体に似た形状ではありますが立方体でないことを意味します。通信オーバーヘッドの増加にもかかわらず問題領域の2次元分割を採用することで、3次元スペクトルコードは数百から数千コアまでスケール可能であることがこのプロジェクトで示されました。

EPCC のDavid ScottはNAGのCSEチームおよびEBL開発者と協力して、12人月でプロジェクトを遂行しました。

プロジェクトの成果

既存のEBLコードは再構築され、以前は最大で365コアまでしか利用できなかった問題サイズで、14,000コアまで良好なスケーリング性が実現されました。EBL は2次元領域分割によってより大きな問題サイズで,またより高いレイノルズ数で実行できます。この研究で立証された技術は他の3次元スペクトルコード、例えば SWT や SS3F への適用が可能です。

EBL は、HECToR 上で約£5,000,000の想定コストとなるおよそ4億 AU(allocation units)(注)の割り当てをもつ英国乱流コンソーシアム(UK Turbulence Consortium)において利用されています。


(注)アロケーションユニット(allocation unit, AU)はHECToRにおけるノード課金単位です。大まかに言えばLinpackベンチマーク(Rmax)を基にした1時間当たり1Tflopsの実行量がkAUに相当します。例えば60Tflopsのプロセッサ群は60kAU/時間に相当します。

詳細なテクニカルレポートは以下で参照いただけます。
http://www.hector.ac.uk/cse/distributedcse/reports/

さらに詳しくお知りになりたい場合は、日本NAG株式会社 コンサルティンググループご相談窓口 http://www.nag-j.co.jp/nagconsul/toiawase.htm (あるいはメール:consul@nag-j.co.jp)までお問い合わせください。

Results matter. Trust NAG.

Privacy Policy | Trademarks