ここでは、金融分野における NAG 数値計算ライブラリ の利用例を紹介します。
- ポートフォリオ最適化(平均・分散モデル) – C#
- ポートフォリオ最適化(平均・分散モデル) – Excel (VBA)
- ポートフォリオ最適化(平均・分散モデル) – Fortran
- ポートフォリオ最適化(インデックス・トラッキング) – C/C++
- ポートフォリオ信用リスク(Vasicek モデル) – MATLAB®
- 準乱数生成の例 – MATLAB®
- 主成分分析によるイールドカーブ分析 – Excel (VBA)
- Nearest Correlation Matrix(最近相関行列) – Excel (VBA)
- 信用リスク(Cox 比例ハザードモデルによる米銀行の倒産確率の推定) – Excel (VBA)
- モンテカルロ法によるオプションプライシング – Excel (VBA)
- 準モンテカルロ法によるオプションプライシング – Excel (VBA)
ライブラリの概要
NAG 数値計算ライブラリは世界に 10000 以上のユーザーを持ち、高い信頼性、計算精度、スピードを持つ世界標準ともいえる数値計算ライブラリです。金融市場の中心であるシティ・オブ・ロンドンやウォール街の多くの銀行や証券会社において、クオンツアナリストらによるアプリケーション開発にも多く使用されています。
NAG 数値計算ライブラリには金融工学プログラミングで利用される、偏微分方程式(ブラックショールズを含む)、準乱数、最適化、オペレーションズリサーチ、GARCH、時系列解析、生存解析、多変量解析、分散分析などが多く含まれています。特にデリバティブプライシングにおいて利用される放物型偏微分方程式と移流拡散方程式を解くルーチン群や、ポートフォリオ・モデリングやインデックス・トラッキングなどで有効に活用することができる最適化ルーチン群が提供されています。
NAG 数値計算ライブラリが金融工学向けの数値計算に利用されている理由の一つに、数多くの特別な最適化ルーチンを提供している点があげられます。スパース非線形最適化ルーチンはその一つの例で、数多くの資産を含んだ大規模ポートフォリオの最適化において標準的なマーコウィッツ(Markowitz)モデルよりも複雑なモデルを用いた最適化が可能です。スパース非線形最適化ルーチンを用いて、より少ないメモリと計算時間で結果を得ることが可能です。
NAG 数値計算ライブラリはその他にも数多くの統計分野のルーチンを提供しています。例えば生データから、分散共分散行列を計算するような基本的な事から、クラスター分析によって、株をあらかじめ規定された条件によりグループ化し、更に得られたそれぞれのグループから株を選び、バランスが取れたポートフォリオを構築すること、また、GARCH モデルを用いたボラティリティーの推定、更に時系列分析ルーチンを利用してトレンド予測を行う事がその例です。
計算結果の信頼性
NAG 数値計算ライブラリはリリース前に計算結果の信頼性を保つための厳しいテストが行われます。また、定期的にアップデートされ、最新のOS、最新の環境で動作するとともに新しい計算アルゴリズムが追加されています。
各ルーチンはアルゴリズムについての詳細情報や参照情報が提供されるとともに、Example プログラムが付属していますので、お客様のアプリケーション構築をスムースに行っていただけます。
計算スピード
計算スピードがクリティカルなお客様向けには、NAG 数値計算ライブラリの並列版 (マルチコア・マルチプロセッサ環境での並列計算が可能)もご用意しています。
C#, Python, Fortran etc.
NAG 数値計算ライブラリは C#、Python、Fortran、Excel、C/C++、VB、Java、MATLAB® など様々な環境から利用でき、金融工学アプリケーションへの組み込みが容易に行えます。