ナビゲーション:前へ 上へ 次へ
1 イントロダクション
1.1 共配列(Coarray)とは
共配列(Coarray)はFortran 2008標準で追加された、プログラム並列化に関する機能です。 プログラムの並列化にはいくつかの方法がありますが、 よく知られたものですと、OpenMPやMPIが挙げられます。 共配列もそのような並列化のやり方の一つではありますが、Fortran標準で定められFortran言語仕様の一部となっている点が、他の並列化手法とは異なる一つの特徴となっています。 また、このFotran言語仕様に準拠する共配列プログラムを書いている限りにおいて、プログラムの並列化で起こり得るデッドロック等の各種問題が生じないように設計されています。
共配列は並列化モデルの一つであるSPMD(Single Program Multiple Data)モデルを採用しています。
そのため、同じプログラムが複数の像(Image)で実行される事になります。
つまり、プログラム開発者は(像毎に異なるプログラムコードを作成するのではなく)
一つのプログラムを作成するだけで良く、そのプログラムが複数の像でそれぞれ動くことになります。
いくつの像で実行を行うかは、コンパイルオプションや、実行時の環境変数で指定可能です。
ナビゲーション:前へ 上へ 次へ