nAG Fortran コンパイラ 7.2 マニュアル

 
ナビゲーション:前へ   上へ   次へ

2.19 実行時環境変数

次の変数によりnAG Fortranコンパイラによってコンパイルされたプログラムの実行 環境を制御することができます。

nAGFORTRAN_MTRACE_FILE
任意の-mtrace= オプションを使ってコンパイルされたプログラム はメモリトレースをこのファイルに出力します。 デフォルトは標準エラーです。
nAGFORTRAN_MTRACE_OPTIONS
任意の-mtrace= オプションを使ってコンパイルされたプログラム のメモリトレーシングオプションを変更します。
nAGFORTRAN_NUM_IMAGES
Co-SMPモードでプログラムを実行する像の数を設定します(主プログラムが-coarray=singleでコンパイルされた場合は効果がありません)。 変数の値が整数値でない場合、または1未満または1000より大きい場合、無視されます。 この変数がない場合、Co-SMPモードプログラムのイメージの数は、-num_images=オプションまたはハードウェアスレッドの数から取得されます。
nAGFORTRAN_RUNTIME_ERROR_FILE
実行時のエラーメッセージはこのファイルに出力されます。 デフォルトは標準エラーです。
nAGFORTRAN_RUNTIME_LANGUAGE
実行時のエラーメッセージに使用される言語を制御します。 ‘English’または‘Japanese’のいずれかで、デフォルトは英語です。
nAGFORTRAN_RUNTIME_OPTIONS
メモリトレース以外の実行時の各種振る舞いを制御します。 以下に示されるオプションをカンマ区切りで指定します。

オプション 効果
abort_on_error 実行時エラーでAbortシグナル (Windows以外のデフォルト)。
autoskip_namelist 変数群入力の自動スキップを有効にする。
blank_common_size=N Co-SMPモードでの無名共通ブロックのデフォルトサイズを設定する。
floating_exception_warnings プログラム終了時の例外警告を表示する (デフォルト)。
log_autoskip_namelist 変数群入力の自動スキップを有効にし、ログを取る。
no_abort_on_error 実行時エラーでの非ゼロ終了、Abortシグナルなし。
show_dangling ぶら下がりポインタの追跡を有効にする (ただし、-C=danglingとともにのみ)。
suppress_floating_exception_warnings プログラム終了時のすべての例外警告を抑止する。
suppress_underflow_warning プログラム終了時の浮動小数点アンダーフロー警告を抑止する。
underflow_warning プログラム終了時にアンダーフロー警告を表示する。

abort_on_errorオプションは、エラー終了時にSIGABRTシグナルをabort()関数を通じて発生させる。 これはWindowsを除いてデフォルトです。

autoskip_namelistオプションは、変数群入力の自動スキップを有効にします。 このモードでは、入力レコードのアンパサンドの後の名前がREAD文の変数群グループ名と一致しない場合、I/Oエラー条件を発生させる代わりに、 アンパサンドと正しい名前で始まるレコードが見つかるまでレコードをスキップします。

blank_common_size=Nオプションは、複数の像を使用してCo-SMPモードで実行する場合、 無名のCOMMONブロックのデフォルトサイズをNバイトに設定します。それ以外の場合は効果がありません。 指定しない場合、デフォルトのサイズは1メビバイト(1048576バイト)です。 このオプションは、異なるプログラム単位間で無名のCOMMONブロックのサイズが異なり、最大のものが最初に検出されない場合にのみ必要です。

floating_exception_warningsオプションは、正常終了時に設定されている任意のIEEE浮動小数点例外フラグを表示しますが、 IEEE_INEXACTは除外します(このフラグはほとんど常に設定されています)。 これがデフォルトです。

log_autoskip_namelistオプションは、ロギング(標準エラー出力へスキップ状況を出力)も行う変数群入力の自動スキップを有効にします このモードでは、自動スキップが発生すると、READ文の場所と実行中のアクションが標準エラーに記録されます。次に例を示します。

       [example.f90, line 5: Looking for namelist group NAME, skipping WRONG]

show_danglingオプションにより、ぶら下がりポインタが作成された場合、 再結合された場合、結合解除された場合、存在しなくなった場合に、 実行時エラーファイルにメッセージが生成されます。 ぶら下がりポインタを操作するソースコードは、これを有効にするために-C=danglingオプションを用いてコンパイルする必要があります。 例)

[a.f90, line 20: Dangling pointer P detected (number 1), associated at b.f90, line 18]
[c.f90, line 7: Dangling pointer P (number 1) has been reassociated]
[c.f90, line 9: Dangling pointer Q (number 2) has been nullified]
[file.f90, line 21: Dangling pointer R (number 3) no longer exists]
ぶら下がりポインタ番号は、ぶら下がりポインタが検出される度にインクリメントされます。 ぶら下がりポインタ要素を持つ配列が存在しなくなった場合、 それぞれの成分のそれぞれのぶら下がりポインタ要素についてメッセージが生成されます。 しかし要素添え字は含まれず、その代わりに配列成分である事を示すために、 ‘(...)’が生成されます。 例)
[file.f90, line 44: Dangling pointer X(...)%A (number 8) no longer exists]

suppress_floating_exception_warningsオプションは、プログラム終了時に浮動小数点のゼロ除算、無効演算、またはオーバーフローフラグが設定されている場合の警告を抑止します。

suppress_underflow_warning実行時オプションは、 -no_underflow_warningコンパイルオプションと同じ効果があります。 つまり、浮動小数点アンダーフローフラグが設定されている場合、プログラム終了時の警告メッセージを抑止します。

underflow_warning実行時オプションは、プログラムの終了時に浮動小数点アンダーフローフラグが設定されている場合、警告メッセージを生成することを要求します。 これはデフォルトの動作ですが、実行時オプションは-no_underflow_warningコンパイルオプションをオーバーライドします。

TMPDIR
一時ファイルに使用されるディレクトリを制御します。デフォルトはシステムに よって異なります。
© 日本ニューメリカルアルゴリズムズグループ株式会社 2024
Privacy Policy  /  Trademarks