2.11 IEEE 754算術サポート
浮動小数オプションが何も指定されなかった場合、0による浮動小数除算、オーバフロー、 不正オペランド例外によってプログラムの実行は終了させられてしまいます(関連する メッセージと通常コアダンプが出力されます)。浮動小数アンダフローの発生はプログ ラムの正常終了時に報告される場合があります。IEEE 754標準をサポートしているハー ドウェア上では、非正規化数値(denormalised numbers)を用いた緩やかなアンダフロ ー(gradual underflow)が有効となります。IEEE 754をサポートしないハードウェア においてはこの実行形態のみが提供される点に注意してください。
-ieee=full オプションが指定された場合、ノンストップの演算が有
効となります。従ってREAL
変数は+Infinity、−Infinity、NaN(Not-a-Number)
といった値を取り得ることになります。
実行時、上記の浮動小数例外のいずれかがハードウェアによって検出された場合、その
生起は正常終了時にレポートされる形となります。
-ieee=full オプションはメインプログラムのコンパイルに際して指
定する必要があり、その影響は大域的なものとなります(実行可能プログラム全体に
その影響が及びます)。
-ieee=nonstd オプションが指定された場合、浮動小数例外はデフォル トの様式で処理されます(すなわち実行は終了させられます)。しかしgradual underflowは有効とならないため、非正規化数に至る演算では代りに0が生成されます。 このオプションはこの実行モードの方が高速であるハードウェア上でのみ使用するよう にしてください。 -ieee=full と同様、-ieee=nonstd オプションは メインプログラムのコンパイルに際して指定する必要があり、その影響は大域的なもの となります。