6.5 f90_preconn_io
このモジュールは自動的に事前接続されたファイルによって使用されるデフォルト値 の変更を可能にします。
6.5.1 手続き
下記の記述においてLOGICAL(*)は任意の種類のLOGICALを意味します。 また、VERBOSE引数は省略可能な引数ですが、実引数は実在しない省略可能 な仮引数であることは許されません。
SUBROUTINE GET_PCIO_OPTIONS(BLANK,POSITION,PREFIX,VERBOSE) CHARACTER(*),OPTIONAL,INTENT(OUT) :: BLANK,POSITION,PREFIX LOGICAL(*),OPTIONAL,INTENT(OUT) :: VERBOSE
ファイル事前結合に関する現行の設定を応答として返します。これらの設定の意味 についてはIOINITルーチンの下に記述してあります。 BLANKとPOSITIONの値は、たとえIOINITのコールに際し小文 字が使われていたにせよ、共に大文字で返されます。
SUBROUTINE IOINIT(BLANK,POSITION,PREFIX,VERBOSE) CHARACTER(*),OPTIONAL,INTENT(IN) :: BLANK,POSITION,PREFIX LOGICAL(*),OPTIONAL,INTENT(IN) :: VERBOSE
この手続きは自動的なファイル事前結合を制御します。 ファイルはOPEN文を使わずに論理装置を最初に参照した際に自動的に事前結合されます。 事前結合はファイルをCLOSEした後には起りません。
事前結合されるファイル名はまず、FORTnn の形をした環境変数(例: FORT03)をサーチすることにより決定されます。ここにnn は2桁の論理装 置番号です。 もしこの環境変数が見つかればその値がファイル名として使用されます。 そうでない場合には名前“fort.n”が用いられます(例: ‘fort.3’)。 最初の参照が書式付き入出力文で行われたか書式なしの入出力文で行われたかに応じて、 ファイルはそれぞれFORM='FORMATTED'指定、またはFORM='UNFORMATTED' 指定でオープンされます。
BLANKとPOSITION引数は、ファイルの事前結合に伴う暗黙のOPEN 文におけるBLANK=、POSITION=キーワードを制御することになります。 最初それらはBLANK='NULL'とPOSITION='REWIND'にセットされます。 ただしこれらは書式なしのファイルに対しては意味を(従って影響も)持ちません。
PREFIX引数は事前結合されるファイル名を含む環境変数を見つける際使用される 接頭語(prefix )を変更します。 最初これは‘FORT’となっています。 PREFIXの先頭30文字だけが用いられます。
VERBOSE引数は動作に関する出力情報量を制御します。これが.TRUE.の 場合、事前結合の操作によって情報メッセージが標準エラー装置上に出力されます。
6.5.2 例
USE F90_PRECONN_IO CALL IOINIT(BLANK='ZERO',PREFIX='MYFILE') READ (99,10) I,J,K,L,M 10 FORMAT(I3,I1,I3,I1,I3)READ文が実行されると、どのファイルを装置99に事前結合するかを見出すために環境 変数MYFILE99の内容がチェックされます。この装置はBLANK='ZERO'指 定で接続されます。環境変数が見つからなかった場合にはファイル ‘fort.99’がオープンされます。