
玉川大学 IT センターにて「Fortran プログラミング入門」と題しての集中講義が行われた。この講義では「直面した問題に対する簡単なシミュレーションやデータ処理を自らプログラムを作成して対応することができる能力を身につけること」を目標として、プログラミング言語の基礎講義をコンピュータを使用した実習を交えて行った。プログラミング言語として Fortran 90/95 が用いられ、プログラミング実習用統合開発環境には日本ニューメリカルアルゴリズムズグループ株式会社の Fortran Builder が用いられた。比較的専門的な内容であるにもかかわらず、この集中講義により36名の学生が Fortran の基礎を身につけ、そして単位を取得する事ができた。
日程:
2006年10月11日 ~ 10月14日 集中講義
場所:
玉川大学 IT センター講義室
講師:
法政大学情報メディア教育研究センター所長
竹内則雄 教授
Fortran Builder について
Fortran Builder は日本ニューメリカルアルゴリズムズグループ株式会社から提供される Fortran 言語の統合開発環境で、シンプルな操作性、わかりやすい日本語メッセー ジ、優れたユーザープログラム診断機能等を備える他、Fortran 言語を自習するための学習用電子ブック「Fortran 90/95 プログラミング入門」を搭載している。
竹内則雄教授のコメント
Fortran プログラミングの実習においては、利用する開発環境の操作が極力シンプルであることが望ましいと考えています。それにより、開発環境の操作を教えることよりも、本来の目的である Fortran の基礎を教えることにより多くの時間を使うことができます。
その点、今回のプログラミング実習において利用した Fortran 統合開発環境「Fortran Builder」は、最小限の操作説明で、学生が即この環境を利用できるようになり、講義をスムースに進めることができました。
また学生が実習時に講義内容の確認や復習を行う為に、Fortran Builder に組み込まれている Fortran 学習用電子ブックを自発的に利用する場面も数多く見受けられました。
今回の講義内容がある程度この電子ブックに沿っていた事もあり、電子ブックが統合開発環境からシームレスに参照できる環境がこのような良い効果をもたらしたのだと思います。
【カリキュラム】
1 | 簡単なプログラミング | プログラム開発環境の使い方 プログラムの書き方,標準入出力の使い方 |
2 | 定数と変数,式と演算定数,変数,代入,型宣言,暗黙の型宣言, 型の優先度算術式,文字式,整数除算 |
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3 | 構造型と演算構造型定義,構造型の宣言,成分選択子 構造型の演算 |
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4 | 課題1:角度の計算 コラム:OpenGLで直線を描画する |
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5 | 処理の流れの制御 | 条件判断,IF構文,IF構文の入れ子 IF文,IF THEN文,END IF文,ELSE文,ELSE IF文, |
6 | 選択処理,CASE構文 SELECT CASE文,CASE文,END SELECT文 |
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7 | 繰り返し指定,DO構文, DOループの入れ子 CONTINUE文,CYCLE文,EXIT文,DO WHILE文 |
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8 | 課題2:最大・最小・平均値の計算 コラム:OpenGLで平面図形を描画する |
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9 | 配列と行列演算 | 配列添え字付き変数,配列の宣言,DIMENSION文 行列演算 |
10 | 割付配列,ALLOCATE文,DEALLOCATE文 配列に関する様々な関数 |
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11 | データ入出力 配列データの入出力 |
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12 | 課題3:n多角形の面積,断面1次モーメント,図心の計算 コラム:OpenGLで立体を描画する |
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13 | プログラム単位と モジュールを活用した 高度なプログラミング |
関数副プログラム,FUNCTION文 サブルーチン副プログラム,SUBROUTINE文 |
14 | 内部副プログラム,内部手続き CONTAINS文 |
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15 | モジュール MODULE文,USE文 |
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16 | 課題4-1:度,分,秒をラジアンに変換する関数副プログラム 課題4-2:配列要素の最大,最小,平均のサブルーチン副プログラム |