nAGお客様事例

ウィーン工科大学様

お客様事例
業種 大学
ソリューション 非線形四次量子拡散方程式の解
使用された製品 nAG Toolbox for MATLAB
使用された関数 C05nb(非線形方程式)
[2013年2月掲載]

nAG TOOLBOX を使用した非線形四次量子拡散方程式の解


ナノテクノロジーにおける小型化が減少する傾向は伝統的なモデルがデバイスシミュレーションに適用できる境界に達し、量子効果をもはや無視することができないナノスケールドメイン(cca. 10 nm) に入っています。そのため求められている Novel モデルはこれらの量子効果を組み込んでいます。基本的な量子原理から始まり、量子流体タイプモデルの階層全体が生成されました。
最もシンプルな量子モデルの一つが量子ドリフト拡散(密度勾配)モデルです。このモデルでは特定の量子効果は4次の非線形放物型(量子拡散)方程式によってモデル化されます。

(1) figure1

この場合 n は粒子密度(例えば、半導体の電子)を表します。方程式 (1) は特別な変分構造を許しています。すなわちフィッシャー情報量の関数の変分導関数 figure2figure3と等しいです。適切な境界条件を与えると、(1)の各軌道解に沿ったフィッシャー情報量の散逸がすぐに生じます:

figure4

数値的観点及び応用的観点から離散単位の方程式の変分構造、散逸特性及びその他の構造特性を保つ、信頼性のある数値スキーマを構築することは好ましくやりがいのある作業です。 離散変分導関数法(DVDM)の重要な考えは、フィッシャー情報量の離散アナログ(近似)Fdを定義することです。また離散変分導関数 figure5 、離散アナログfigure6を得るために離散変分プロシージャを実行することです。この手法は以下の非線形方程式で与えられます。

(2) figure7

ここで未知の Uk の実ベクトルは時間レベル tk の空間格子上の厳密解 n を近似します。離散微分演算子δdiv(1)と δgrad(1)は(2)が(1)と一致するよう定義されます。手法(2)は(1)の離散アナログで、構築によって変分構造を保ちます。対応する離散境界条件を与えることにより大きなフィッシャー情報量と散逸特性を保ちます。つまり k≥0 の場合 Fd [Uk+1 ]≤Fd [Uk] です。 非線形方程式(2)を数値的に解くために、非線形方程式のPowell ハイブリッド法に基づく nAG toolbox ルーチンC05nb が使用されました。このルーチンは標準の MATLABルーチン fsolve より3倍速いことが証明されました。そのため必要な数値テストや実験を適正な時間で実行するのに非常に便利です。
上記に示されている離散変分導関数法と関連する数値結果は著者の博士論文「Entropy analysis for nonlinear higher-order quantum diffusion equations」の一部です。この論文はウィーン工科大学(Vienna University of Technology)でAnsgar Jüngel教授のもとで作成されました。

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