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HPCチューニングサービスの事例

HECToRプロジェクト
AVS/Expressを用いた大規模リモートバッチ可視化(MRBV)

対象プログラム 並列可視化コード
アプリケーション名 AVS/Express DDR
チューニング方法 AVS/Express分散データレンダラーの移植
成果 7000x7000x7000データの並列レンダリングとイメージ合成が可能となった。
[2017年8月掲載]

HECToR dCSEチームがAVS/Expressの移植により大規模リモート可視化を実現

Martin Turner, University of Manchester
George Leaver, University of Manchester
HECToR CSE Team, Numerical Algorithms Group Ltd (NAG)


英国の国立スーパーコンピューティング設備HECToRにおけるNAGの計算科学技術(CSE)サポートサービスのもと、マンチェスター大学Research Computing ServicesのHPC専門家が、可視化アプリケーションAVS/Express分散データレンダラー(DDR)をCray XT4へ移植しました。これにより、GPUでは規模が大き過ぎて不可能だったデータの可視化が可能になりました。

AVS/Express DDRは、データの領域分割に様々な手法を適用できる並列処理モジュールです。並列レンダリングとイメージ合成は、HECToRの分散メモリー上で極めて巨大なデータの可視化を可能にします。最初のユーザは材料科学者らで、CTのX線スキャンによる巨大なデータの解析に用いられます。

このプロジェクトの成功に関し、主任調査員のMartin Turner博士は次のように述べています:「MRBVプロジェクトにより、我々の可視化コードは、これまで用いた可視化ハードウェアで可能だったサイズよりも大きな問題サイズを扱うことが可能になりました。特に、350GBのボリュームの可視化が可能になったのです。さらに、並列AVSコード開発における手法の検証もできるようになりました。HECToRを用いる前は32コアの小さなクラスターでしか検証が出来ませんでした。HECToR上で動かすにはソフトウェアアーキテクチャ上の修正が必要でしたが、これで2014コアまでのスケール性を検証することができるようになりました。」

HECToR
HECToR はResearch Councils を代行する EPSRC により管理されており、英国学術界の科学と工学をサポートする任務を負っています。エジンバラ大学にある Cray XT スーパーコンピュータはUoE HPCx 社によって管理されています。 CSE サポートサービスはNAG 社によって提供されており、高度なスーパーコンピュータの効率的な活用のために、ユーザは確実に適切なHPC専門家にコンタクトできます。CSEサポートサービスの重要な特徴は分散型CSE(dCSE)プログラムです。これは簡潔なピアレビューを経てユーザからの提案に応える、特定のコードのパフォーマンスとスケーラビリティに対処するプロジェクトです。dCSE プログラムは、伝統的なHPCユーザアプリケーションサポートとNAG によるトレーニングで補われる、約 50 の集中的プロジェクトから成り立っています。

これまでに完了した dCSE プロジェクトは、CSEの尽力により可能なコスト削減と新しい科学の優れた適用例をもたらしました。ここで報告されているMRBVプロジェクトは成功を収めたパフォーマンス改善であり、新たなサクセスストーリーとなっています。

プロジェクトの背景

このプロジェクトの主な目的は、AVS/Express DDRをHECToRフェーズ2aのCray XT4へ移植することでした。これにより、GPUベースの小規模なクラスターの能力を超える巨大データの可視化が可能になります。これまで、大規模データの可視化は、初期段階で計測機器から生じるデータ検証のためのアプリケーションのボトルネックになっていました。こうした検証は、次の計算やイメージ処理リソースが費やされる前に、方法の正確さ(物理的実験のセットアップなど)を確かなものにします。HECToR移植後の最初のユーザはマンチェスター大学の材料科学研究者です。彼らは、CTスキャン装置から生じる、通常は50から500GBのサイズのデータを用います。

マンチェスター大学のMartin Turner博士は、このプロジェクトの主任調査員でした。マンチェスター大学のGeorge Leaver博士は、NAGのCSEチームとAVS/Express DDR開発者らと共に、12人月でこのプロジェクトを実行しました。

プロジェクトの結果

AVS/Expressユーザーインターフェイスコード用の代替MPIライブラリが開発され、バックエンドノード上で動作するプロキシを介して、MPI関数呼出しをログインノード(ここでユーザーインターフェイスコードが実行される)から転送が出来るようになりました。こうすることで、別の通信APIを介在せずに、既存のAVS並列モジュールアーキテクチャをモジュール開発に使用できます。専用のAVSアプリケーションは、インタラクティブなユーザーインターフェイスで開発出来ます。MPIによる並列イメージ合成が実装され、AVS/Express内のソケットベースのコード部分がそれにより置き換えられました。また、AVSレンダリングの改善により、以前のバージョンよりも多くのプロセッサーを用いてアプリケーションをインタラクティブに利用できるようになりました。、約7000x7000x7000のサイズまでレンダリングが出来るようになりました。

この内容は、Philosophical Transactions A of the Royal SocietyのAHMミーティング2010の特集に掲載されています。また他の発表についてはhttp://wiki.rcs.manchester.ac.uk/community/mrbvをご覧ください。


詳細なテクニカルレポートは以下で参照いただけます。
http://www.hector.ac.uk/cse/distributedcse/reports/mrbv/

さらに詳しくお知りになりたい場合は、日本NAG株式会社 コンサルティンググループご相談窓口 http://www.nag-j.co.jp/nagconsul/toiawase.htm (あるいはメール:consul@nag-j.co.jp)までお問い合わせください。

Results matter. Trust NAG.

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